プノンペンでオーダーメイド靴をつくってみた|値段・流れ・仕上がりを本音でレポート

カンボジア生活

プノンペンには、革も形もヒールもぜんぶ自分で指定して、いちからオーダーメイドの靴をつくってくれるお店がいくつもあります。日本だとちょっとハードルの高いオーダーメイドの靴が、ここでは気軽に頼めてしまうんです。

今回は、私が実際に3足のオーダーメイド靴をつくった体験を、値段・流れ・仕上がりまでぜんぶ本音でシェアします。これからプノンペンでオーダーメイド靴に挑戦してみたい人の参考になればうれしいです。

お店は「Tuol Sleng Making Shoes(トゥールスレン・メイキング・シューズ)」

Tuol Sleng Making Shoesの店構え

私が通ったのは、トゥールスレン虐殺博物館の近く、Street 143沿いにある「Tuol Sleng Making Shoes」(Google MAP表記)というお店です。正式な店名は「KONG TOULSLENG MAKING SHOES SHOP」(領収書表記)といいます。同じ通りにはほかにも靴屋さんが軒を連ねていて、このあたり一帯が靴づくりのエリアになっているようです。

店内はおしゃれなアトリエという雰囲気ではなく、カンボジア感あふれる昔ながらの靴屋さんという感じ。ガラスケースにサンプルの靴がずらりと並びます。スタッフには英語が話せる子とそうでない子がいて、私が対応してもらったのは英語で話せる若い女性のスタッフさんでした。

オーダーの流れ

理想のパンプスをWebで見つけて、その画像をお店の人に見せるところからスタートしました。革の種類も、ヒールの形も、ぜんぶ自分で指示していく必要があるので、ある程度イメージを固めてから行くほうが、お店の人もこちらもスムーズだと思います。

① 革を選ぶ

プノンペン革靴オーダーメイド素材選び
プノンペン革靴オーダーメイド革サンプル

まずは革素材選びから。サンプルの中から選ぶのですが、これが結構むずかしい。「もうちょっと濃いほうがいいかな」「もう少し柔らかい質感がいいかも」なんて話しているうちに、お店の人が奥からつぎつぎと新しい革を持ってきてくれます。似たような色でも、光の当たり方や質感でぜんぜん印象が変わるので、ああでもないこうでもないと、けっこう悩みました。

② ヒールの高さ・形を選ぶ

プノンペン革靴オーダーメイド素材・型選び

続いてヒールの高さと形を決めていきます。かかと部分は高さと形を模した型見本があって、その中から好みのものを選ぶ方式でした。

③ 採寸

紙の上で足の形をペンでなぞって採寸するようす

紙の上に足を乗せて、ペンで輪郭をなぞって型を取ります。足の甲の高さもメジャーで測ってもらいました。デジタルな採寸機器などはなく、昔ながらの手作業。この工程がなんだかたのしくて、印象に残っています。

受け取り① ネイビーのパンプス

1足目につくったのは、ネイビーのパンプスでした。

作成にかかったのは10日間。注文した日には「1週間後の21日以降に取りに来てね」と言われたものの、あとから「少し遅れそう」とお詫びの連絡があり、結局靴は予定より3日遅れで完成。まあとくに急いでいなかったので、問題ありません。

完成したネイビーのパンプス

自分がオーダーメイドした靴と初めて対面する日は、正直ちょっとドキドキしました。完成品がどんな仕上がりになっているか、まったく想像がつかなかったからです。

履いてみると、足にぴったり。さすが四方向から採寸しただけあります。ただ、デザインの細かい部分は理想と少し違いました。

  • 見本では黒だったソールの色が、茶色になっていた
  • 革と同じ色を希望していた縫い目が、白い糸だった
  • 靴の内側がシルバーだった(これは完全に想定外)

とはいえ、細かい部分まで指定していなかったのはこちらの落ち度でもあるし、これはこれで「世界にひとつだけ」感があっていいかと、そのまま連れて帰ることにしました。

革靴なので履き始めはさすがに痛いのですが、しばらくして革が伸びてやわらかくなってくると、なんだか愛着がわいてきます。

受け取り② ブラウンのパンプス&ダークブラウンのローファー

完成したブラウンのパンプス
完成したダークブラウンのローファー

それから3か月ほどして、2足目・3足目をオーダーしました。今度はブラウンのパンプスと、ダークブラウンのローファーです。今回も完成にかかったのは約10日間でした。

完成品を見るのは、2回目でもやっぱりドキドキします。
いざ試着してみると、オーダーメイドのはずなのに、2足ともサイズが大きい……。足のサイズを測ったのが夕方で、足がむくんでいたせいかもしれません。

大きすぎる旨を伝えると、スタッフさんはすぐに中敷きを調整してくれました。「5分待って」と言われて戻ってきたのは15分後くらい。でも今度はきつすぎる(笑)。もう一度伝えると、また奥に戻って厚みを調整。そんなやりとりを数回くり返して、かれこれ30分ほどかかりましたが、最終的には理想のフィット感に仕上がり、満足して持ち帰ることができました。

デザインに関してはおおむね満足でしたが、靴の裏側は今回も見本の画像と違っていました。内側で見えない部分なので、これはもういいかな、と受け入れています。

値段について

値段は革の質によって決まるようでした。実際にかかった費用はこちらです。

靴革・カラー金額
① パンプスネイビー48ドル
② パンプスブラウン48ドル
③ ローファーダークブラウン60ドル

2足目・3足目のうち、値段が高かったのはダークブラウンのローファー(60ドル)でした。お店の人も「ちょっと値段の高い革だよ」と言っていました。ちなみに、在庫がなくて選べなかったのですが、もうひとつ気になっていた深みのあるイタリアンレザーは、68ドルとのこと。革によってはさらに値が張るようです。

支払いは、注文時にデポジット(内金)を払い、受け取り時に残金を払うスタイルと、その場で全額払うスタイルを選べます。

よかったところ・気になったところ(本音)

正直に言うと、すごく上質でピカピカに仕上がった靴、というわけではありません。作業中についたのか、ところどころ小さな汚れや傷があったりもします。完成した靴と対面するたびに、「うーん、思ってたんとちょっと違う」と毎回思ってしまうのも本音です。

靴の内側を全部張り替えてもらったり、糸の色を変えてもらったり……とお願いすることもできたのかもしれませんが、そこまでするのもなあ、という気持ちもあり、結局「完璧」にはなりませんでした。

でも、不思議なことに、履いているうちにものすごく愛着が湧いてきます。見れば見るほど好きになるし、履けば履くほど好きになる。そんな魅力があるんです。世界にひとつだけの、自分だけの靴をつくるという体験そのものが、私にとって新鮮でうれしいものでした。

これからプノンペンでオーダーメイド靴をつくる人へ

  • 理想のデザインは画像で見せる:言葉で伝えるより、Web上で見つけた写真を見せるほうが確実です
  • 細かい部分まで指定する:ソールの色や縫い目の色にこだわりがあるなら、あらかじめはっきり伝えておくのがおすすめです
  • サイズが合わなければその場で伝える:中敷きなどで調整してもらえます。ただし何度かやり取りが必要になることもあるので、時間に余裕をもって行くと◎
  • 完璧を求めすぎない:手づくりならではの味や個体差も、オーダーメイドの魅力のひとつです

お店情報

項目内容
店名Tuol Sleng Making Shoes(KONG TOULSLENG MAKING SHOES SHOP)
住所No.138Eo, St.143, Sangkat Boeung Keng Kang 3, Khan Chamkar Mon, Phnom Penh
目安価格1足約30ドル〜(革の質によって変動)
制作期間7日〜10日程度(変動する可能性あり)

こういう「その土地でしかできない体験」に出会えるのは、プノンペン生活のちょっとした楽しみだなと感じています。もし気になった方は、写真を1枚持って、気軽にお店をのぞいてみてください。きっといい思い出づくりになると思います。

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