次の目的地は、ルーマニアのティミショアラ。
ベオグラードに着いてすぐ、移動手段を調べ始めた。でも、情報が少ない。バスターミナルのインフォメーションカウンターへ行っても「わからない」の一点張りで、まったく役に立たなかった。
…インフォメーション、案内するとこじゃないの?隣の国への行き方を知らないはずがある?
Gea Toursでミニバンを手配する
ネットで調べていると、Gea Toursという旅行会社がティミショアラ行きのミニバンを毎日運行しているという情報が出てきた。

住所はKneza Miloša 65, Belgrade。市内中心部の建物の2階で、左側のドアを開けると旅行会社がある。このわかりにくさ、なかなかのものだ。

担当者の態度はそこまでよくなかったが、とりあえず2日後の予約はできた。
出発は翌朝9時30分ごろ、宿の前に来てくれるとのことだった。
料金は20ユーロ。ちょっと高いかなとも思ったが、ベオグラードの宿からティミショアラのホテル玄関前までドアツードアで連れていってくれることを考えると、納得できる価格だった。(Gea Tours公式サイト)
出発の朝:コンビニのトルティーヤが予想外においしい
出発当日の朝、近くのコンビニに立ち寄った。
棚に並んでいたベジタブルトルティーヤを買ってみた。これが予想をはるかに超えておいしかった。
パプリカ、紫キャベツ、カラフルなブロッコリー、キャベツ……とにかく野菜がたくさん入っていて、なんらかのスパイスで味付けされている。それがとろけたチーズとパンと絡み合う。
中欧〜東欧の料理はパプリカの使いこなしが本当にうまい。コンビニのサンドイッチでもここまで差が出るものかと感動した。
バスが早く来た
宿に戻ると、すでにミニバンが来ていた。
「10分前に電話する」という話だったが、まあ、そういうことはよくある。あわてて荷物をまとめてダッシュした。
ミニバンはこぢんまりとした車だ。途中で別の乗客も乗り込んできて、最終的にドライバー除いて8人乗り満席になった。
途中のカフェ休憩では、エスプレッソに加えてクッキーまでついてきた。うれしい。ただ、相変わらずエスプレッソには砂糖が2個ついてくる。一個でいいんだよな、といつも思う。
国境越え:これまでで一番スムーズだった
12時45分ごろ、国境に到着した。
これまでのバルカン半島での国境越えと比べて、ダントツで空いていた。
セルビア側(出国)は、まさにドライブスルー方式だ。乗客全員のパスポートをドライバーがまとめて持ち、車の窓から国境警備官の窓口に提出する。乗客は車から降りる必要がない。あまりにスムーズで驚いた。
ルーマニア側(入国)では、国境警備官が車に乗り込んできた。ひとりひとりのパスポートの顔写真と本人を照らし合わせる確認。そのあと、荷物検査があった。セルビアからの入国だからか、念入りな印象だった。といっても、「荷物をちょっと見て終わり」くらいのものだった。
1時間の時差に驚く
国境を越えたあたりから近くの母娘の2人が「時間を教えて」と声をかけてきた。そこではじめて時差があることを教えてもらった。
ルーマニアはセルビアより1時間進んでいる。
どうやら、2人はこの後予定があるらしく、スマホの時間がきちんと時差を反映しているか確認したかったようだ。
ルーマニアはEEAST(東ヨーロッパ夏時間)、セルビアはCEST(中央ヨーロッパ夏時間)で、夏は1時間の差がある。これはおもしろい。
ルーマニアに入って

景色が変わった、というよりも、空気が変わった。
ベオグラードはにぎやかで活気があったけれど、どこか薄暗い感じがあった。1999年の空爆の傷跡が残る建物も、街に漂う独特の重さも。
ルーマニアに入ると、街が明るい。穏やかな空気が流れている。住みたいかもしれない、と思った。

ティミショアラは工事中の箇所がとにかく多かった。街の景観の半分くらいが足場に覆われていたりする。でも、その片鱗は十分に見えた。


なんてうつくしいおとぎの国なんだろう、と思った。
夜の20時を過ぎても、まだ空が明るい。日没が20時40分ごろだという。バルカン半島を北上してきたからか、日照時間が長くなっていた。オレンジがかった夕暮れの空の下を歩きながら、次の街への期待がじわじわと高まっていった。


