カンボジアの治安、ぶっちゃけどうなの?プノンペン在住者が本音で語る2026年のリアル

カンボジア生活

「カンボジアって今、行っても大丈夫なの?」

いろいろな方からよく聞かれる質問。タイとの国境で銃撃戦が起きた、中国人特殊詐欺拠点の温床になっている、日本人が詐欺拠点に送り込まれた…そんなニュースが飛び込んでくるたびに、不安になりますよね。

でも実際にプノンペンに住んでみると、ニュースで見る「カンボジア」と、日常で感じる「カンボジア」はかなり違う。旅行を迷っている人にも、移住を考えている人にも、現地のリアルを伝えていきたいと思います。

まず最初に気になる「タイとの国境紛争」について

これはもう、避けて通れない話題です。

2025年5月、タイとカンボジアの国境付近(カンボジア側のプレアビヒア州あたり)で、両軍の兵士が衝突。その後、7月には本格的な軍事衝突にエスカレートし、タイ側からのロケット弾攻撃、カンボジア側へのF-16による爆撃、民間人の死傷者まで出る事態になりました。そして12月にも再び激化し、両国合わせて60万人以上が避難を余儀なくされたというニュースが世界を駆け巡りました。

でも、ここで大事なのは今どこで何が起きているのかということ。

日本外務省の発表によると、タイ国境から50km以内の地域には渡航中止勧告(レベル3)が出ています。これはガチで危険です。現地の人も近づかないように気をつけています。

一方のプノンペンやシェムリアップは、「十分注意(レベル1)」のまま変わっていません。

わたしが住んでいるプノンペンで国境紛争を体感した経験はほぼゼロです。日常生活がおびやかされるような場面は一切ありません。

プノンペンから国境地帯まで、直線距離でも300〜400km以上は離れています。東京から大阪くらいの距離感。ただ日本みたいに交通の便も発展していないので、車で長い時間かけていく、かなり遠い場所にある感覚です。

ただし、カンボジア人の「空気感」は確かに変わった

ひとつ正直に書いておきたいのが、紛争が激化していた時期の現地の人たちの雰囲気です。

タイとの紛争が報道されると、カンボジア人の間にはかなりのナショナリズムが高まります。歴史的に深い傷を背負うカンボジア人にとって「自国の土地を守る」という感情は、日本人が思う以上にセンシティブな気がします。SNSではタイへの批判的な投稿があふれ、「タイ企業・タイ製品をボイコットしよう」という動きも見られました。カンボジア政府はタイからの輸入品や電力供給を一時停止するとまで発表しました。

タイ企業へのボイコットについて

2026年4月現在もタイ企業へのボイコットは続いています。

例えば、Amazon Coffee やPizza Companyなどかつてカンボジアで人気だったタイ企業の飲食店も2026年4月現在、店内はがらがらでお客さんはほとんどいません。セブンイレブンもタイ資本なので、店内はガラリとしていて、売上がたたないのか商品棚もスカスカ。ショッピングモールに入っていたタイ企業・タイ資本のお店もどんどん退店していきます。

スーパーなどのお店に行くと、メイド・イン・カンボジアが強調されていたり、Brown Coffee やTube Coffeeなどカンボジアのコーヒーチェーンが常にぎわうなどカンボジア企業・カンボジア製品を意識的に選ぶカンボジア人が増えました。

中国人詐欺拠点問題について

こっちも相当な大ニュースでした。

カンボジアには数十か所以上の詐欺拠点が存在し、中国人を中心とした組織が違法オンラインカジノや国際的な通信詐欺を運営していたとされています。2025年初頭には、ポイペト市(国境近くの都市)で中国人が賃貸した3階建てのビルが急襲され、タイ人109人を含む215人が拘束される事件も起きました。

さらに衝撃的だったのが、カンボジア有数の企業グループ「太子集団(プリンスグループ)」の会長が実は詐欺組織のボスだったとして、2026年1月に逮捕・中国に送還されたというニュース。不動産、ホテル、銀行まで傘下に持つ大企業の裏側にそんな闇があったとは…。

日本人にとっても他人事ではなく、2024年には日本人29人がカンボジアの詐欺拠点から保護され、帰国後に逮捕されるという事件が起きています。「好条件の仕事」に釣られてカンボジアに渡航した結果、オレオレ詐欺の「かけ子」にされていたというケースです。

日本外務省も繰り返し警告を出していますが、本当に怖い話ですよね。

国際的批判を受けたカンボジア政府は現在、詐欺拠点撲滅をかかげて取り締まりを強化していて、毎週のように詐欺グループを逮捕しましたというニュースが流れてきます。

ただし、これらの詐欺拠点の多くはポイペトなどの国境沿いの都市に集中していました。プノンペン中心部で暮らしている限り、詐欺組織と日常的に接触するような状況ではありません。

じゃあ実際の日常生活での治安は?

わたしが女ひとりでプノンペンに住みはじめて最初に思ったのが、全然普通に生活できるということ。国境紛争とも詐欺グループとも直接的に交わることは一切なく平和に暮らしています。
いつも無防備で歩いていますが、スリの被害にあったことも身の危険を感じたこともありません。

殺人事件や強盗の発生もあまり日常で話題にはあがりません。

ただし貧しい人も多い国なので、場所・時間問わず外国人を狙った犯罪が起こるリスクがあります。しつこく強要されたり、おそわれたことは今のところありませんが、物乞いをする人もよく見かけます。わたしは人通りの少ない路地裏に行かない&夜間はひとりで出歩かないことを心がけています。

あと気をつけるべきは、交通事故です。プノンペンでは日常的に交通事故が多発。信号がない大通りを横断する必要があったり、車の後ろからバイクが飛び出てきてヒヤッとすることがあります。カンボジアではあまり歩行者優先という感覚がないようで、ガンガンつっこんでくるので要注意です。

実際にやっておいた方がいいことをまとめると:

  • 夜間、人通りの少ない場所でのひとり歩きは避ける
  • バイクや車からのひったくりに注意。バッグは必ず体の前に持つ
  • 車・バイクの飛び出しに細心の注意をはらう
  • 知らない外国人の誘いには乗らない。観光客を狙ったいかさま賭博詐欺など
  • 住む物件は3階以上を選ぶ。低層階はベランダや窓からの空き巣被害が起きやすい
  • 海外旅行保険は必須。プノンペンには日本語対応の病院もあるので、保険があれば安心

海外で過ごすにあたってごくあたり前のことですが。

観光地は旅行しても大丈夫?旅行を考えている人へ

国境から遠い&観光地化された場所(シェムリアップやプノンペン)なら大丈夫というのが答え。

シェムリアップ観光地中心部は基本的に安心してOK

特に多くのカンボジア渡航者が行くであろうシェムリアップのアンコールワットは余裕で行けます。シェムリアップはもともとプノンペンと比べて落ちついて治安のいい街として知られていますし、国境地帯から離れているので、観光エリアでの安全は確保されています(2026年3月時点)。

わたしも3月にシェムリアップに行ってきたばかりですが、人が少なくおだやかな空気感でした。そしてアンコールワットの壮大さは一度見たら忘れられません。それはさておき、観光中心地のパブストリートあたりは夜も明るく、怪しそうな人も見当たりません。欧米人がわいわいしている感じです。プノンペンで暮らしていると、シェムリアップがとても平和に感じます。車やバイクなどの交通量も少なく、ストレスも少ないです。

ただしシェムリアップであっても、一部観光客をねらった軽犯罪のリスクもあるようなので特に夜は身を引き締めて行動するのが鉄則です。

プノンペンを安心して楽しむには

主要スポットを明るい時間に観光する分にはもちろん全く問題なし。
ただ、プノンペンは夜のイベントが多いので、どうしても夜間の外出が増えます。

わたしもよく、ファミリーや若い子たちが集まるような人通りの多いところを中心に夜に出かけます。リバーサイドのナイトマーケットなど街の中心地は夜もにぎやかで人通りも多いので、メインエリアを歩く分には問題ありません。ただし基本的に22時以降は避けるようにしています。あとは夜間に路地裏には入らないように気をつけています。見た目ですぐに分かりますが、性犯罪が起こりそうな(というかすでに起こってそうな)ゾーンに入ってしまうと危険なので。

あとは、中華街に入ると、全身タトゥーのいかつい中国人をチラホラみかけます。特に何かをされるわけではないのですが、近くにいると少し怖いものです。普通に生活&主要スポットを観光している分にはまず行くことはないので問題はありませんが。

安心してプノンペンに滞在したい方は、下記のようなエリアがおすすめです。実際のわたしの基本的な行動ゾーンです。

▼ プノンペン 外国人在住エリア&主要スポット

スポット特徴Googleマップ
BKK1(ボンケンコン1)外国人移住者に最人気の住宅・飲食エリア地図を開く
トンレバサックBKK1に隣接。おしゃれなバー・レストラン集積地図を開く
独立記念塔エリアのランドマーク。周辺は比較的治安良好地図を開く
リバーサイド(シソワット通り)観光客に人気。夜間のひとり歩きは要注意地図を開く
ロシアンマーケットBKK1南西のローカル市場。スリ・置き引きに注意地図を開く

特にプノンペンのBKK1(ボンケンコン)エリアやトンレバサック周辺は、外国人駐在員に人気の住宅街で、セキュリティがしっかりしたコンドミニアムも多く、安心して歩けます。長期滞在ならこのエリアがおすすめです。

最後に

治安について書きはじめると、どうしてもネガティブな話が多くなってしまうけれど、カンボジアはそれを差し引いてもおつりがくるくらい、おもしろい国だとわたしは思っています。

現地の人は陽気であたたかい人が多いですし、「カンボジアは治安が悪い」と世界から思われている最近の状況はちょっとかわいそうな気もします。カンボジア人が起こすのはたいてい貧困が原因の軽犯罪。ひどい悪質犯罪を起こしているのは中国人ギャングをはじめとする外国人が多数。外国人と言うのは日本人も含みますからね。悪いことたくらんでいる日本人がいると聞くと少し悲しくなりますね。

最後にもう一度強調すると、現地のカンボジア人は基本あたたかくてやさしいです。まだ発展しきっていなくてザ・東南アジア感が残るおもしろい場所です。ニュースの「怖いカンボジア」だけじゃなく、現地のリアルも知ってもらえたらうれしいです。

⚠️ 最新の渡航情報は必ず外務省の海外安全情報ページでご確認ください。 外務省 海外安全ホームページ カンボジア

この記事はカンボジア在住者の体験をもとに2026年4月時点の情報で執筆しています。治安状況は随時変化しますので、最新情報は必ず公式情報源でご確認ください。

【参考情報】
外務省 海外安全ホームページ|カンボジア危険情報 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_004.html
外務省|カンボジア・タイ国境における両軍の衝突(2025年7月24日) https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2025C030.html
外務省|カンボジアの危険情報【一部地域の危険レベル引下げ】(2026年) https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T012.html
アジア経済研究所 IDEスクエア|タイ・カンボジア国境衝突――その背景と展望、タイ国内政治からの示唆 https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2025/ISQ202520_017.html
笹川平和財団 IINA|タイとカンボジアの国境紛争――ASEANの果たした役割 https://www.spf.org/iina/articles/shoji_31.html
日本経済新聞|タイ・カンボジア衝突 最新ニュースと解説 https://www.nikkei.com/topics/25072503
東洋経済オンライン|カンボジアで逮捕された中国系・特殊詐欺集団のボス https://toyokeizai.net/articles/-/930572
JBpress|日本人も加わりオレオレ詐欺…カンボジアはなぜ特殊詐欺グループの拠点になっているのか? https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/91218
Codebook Security News|2025年7月のタイ・カンボジア国境紛争とその背景 https://codebook.machinarecord.com/cyber-intelligence/geopolitical-risk/40549/
タイニュース・クロスボンバー|カンボジア・ポイペトの中国人詐欺組織を摘発!タイ人109人を含む215人を拘束 https://x-bomberth.com/20250223chinesemaffia/
Wikipedia|タイとカンボジアの国境紛争 https://ja.wikipedia.org/wiki/タイとカンボジアの国境紛争
タイトルとURLをコピーしました