頭のゴミを捨てるために徒歩通勤をはじめた話

その他


頭のゴミを捨てて整理するために徒歩通勤を始めた。

片道30分、ちょうどいい。
近すぎず遠すぎず、無理なく続けられる時間。

電車もバスも試したけれど、公共交通機関というその空間が社会的で閉塞的で息が詰まる。ずっとそのような社会的な空間のまま移動してしまうと、仕事のアレコレを頭で整理する時間がなくて、家に持ち込んでしまう。

30分、ぼーっと歩きながら仕事のアレコレを吐き出していけば、家に着く頃にはさっと別のことを考えられるようになっている。

というのも、退勤してしばらくは、今日あったこととか明日どうしようとか仕事のことが次々浮かんでくるのだけど、ダラダラと歩いていると、家に着く前あたりには今日は何食べようか、何飲もうか、何見ようかそんなウキウキしたことを考えられるようになっている。

心底疲れて、退勤後、仕事のアレコレ考える体力も残っていなくて、スマホの画面も見る気になれなくて、ただただ無心で歩き続ける。どんなふうに家の近くまで戻ってきたか記憶にないくらい脳死状態で歩くこともある。そんな状態でも、魔法の30分のおかげで家につく頃にはなんだか回復してて、ご飯を食べたら元気になってたなんて日もある。

頭がゴミだらけのまま家に帰ると、困ったことに、映画に集中できなかったり、本の文字が1ミリも頭に入ってこなかったり、大好きな人が目の前にいても「心ここに在らず」な感じで、仕事のシーンがフラッシュバックしたり、やらなければならないタスクを思い出してしまったり、上司の言葉が聞こえてきたりしてしまう。

そんなことはごめんだ。プライベートの幸せな時間を邪魔されるわけにはいかないのだ。家に帰ったら、そこは別世界。クリアな頭で、たのしく、幸せなことがしたい。だから私は、歩きながら頭のゴミを吐き出していく。

もちろん毎日頭のゴミを捨てきれるわけではない。30分じゃ足りないことだってある。

キャパオーバー寸前の仕事量をかかえこんでいたり、嫌なことがあった時は30分じゃもちろん足りなくて、家に持ち込まれてしまうこともある。

そんな時はとりあえず一旦外に出て、大好きな何かを買いに、少し離れたスーパーまで追加でウォーキングするか、映画を見て心揺らされるか、とにかくゴミを頭から追い出すために格闘してみる。

不思議なことに何をしたら頭がスッキリするかはその時々によって変わってくる。だから、心の声に正直に「今私が本当に欲しているものは何?」と聞いてみるのが一番だと思っている。「こんなムダで無価値なことしている場合じゃない」と自分を責めたり「だらだら時間過ごしてしまった」と罪悪感を感じたりするのはNG。心が欲するダラダラと非生産的な活動をして、とにかく「あ〜たのし!しあわせ!」と心の中で叫んでみる。

受動的に「疲れてスマホをダラダラみてしまった」ではなく能動的に「良し!どうでもいい動画を見まくるぞ!」と思ってムダなことをするのはたのしい。ダラダラした後悔ではなく、ダラダラしたことによる幸福度の上昇に着目してみる。自分のその行動で自分が癒やされたかを大切にしている。最終的にモヤモヤが吹き飛び、スッキリできればOKと思っている。そんなこんなで私はいつも頭のゴミを追い出している。

最初は一刻も早く家に帰りたい!!と思っていたけど、頭のゴミを持ち込んだ状態と、スッキリゴミを吐き出した状態で帰宅した場合では、後者のほうが圧倒的に家でストレスフリーにたのしく過ごす時間が増えて、むしろムダがないと感じるようになった。

家に帰っても仕事のことばかり考えてしまう人、疲れて心が無になって何にも手につかない人に試してみていただけたらとっても嬉しい。

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