コペンハーゲンに滞在している3日目、電車でスウェーデンのマルメ(Malmö)へ日帰りで行ってみることにした。
コペンハーゲンからマルメへ──35分で国境を越える

コペンハーゲン中央駅からマルメ中央駅まで、所要時間はおよそ35分。乗るのはÖresundståg(エーレスントーグ)という電車で、20〜30分に1本程度運行している。チケットはコペンハーゲン中央駅の自動券売機でクレジットカードを使って買えた。
途中、オーレスン橋(Øresundbroen)という橋を渡る。橋の上から海が広がって、いまデンマークとスウェーデンのあいだを通っているんだと思うとちょっと胸が高まった。国境を越えるといっても、電車を降りたらもうスウェーデンだった。思ったよりかんたんに来れた。シェンゲン協定最高。
マルメ中央駅に到着

駅に着いてまず目に入るのが、赤レンガの重厚な建物。到着した瞬間から好きになる予感がした。
ちなみに、駅のトイレを利用するのに10スウェーデンクローネかかった。クレジットカードが使えたので助かった。
Stortorget(大広場)を歩く


駅から少し歩くと、Stortorget(ストールトリエット)に出る。マルメの中心にあるメインの広場で、どっしりとした市庁舎と、独特の彫刻が施された噴水が印象的だった。広場の中央にはカール10世グスタフの騎馬像。まわりの建物も古くて重厚で、コペンハーゲンと似ているようで、でもどこか空気感がちがう。


広場のそばをぶらぶらしていたら、楽器を奏でている彫刻に出くわした。みんなどこか愉快な体型で、思わず足が止まった。こういうのが街のなかにさらっと置いてあるのが、マルメらしかった。

荷台に植物をいっぱい積んだカーゴバイクが路肩に停まっていたり。街にある一つひとつの要素がかわいいすぎる。
「ライオン薬局」Apoteket Lejonet


Stortorgetに面したところにある、Apoteket Lejonet(アポテーケット・レヨネット)という薬局がとにかくすごかった。「ライオン薬局」という名前の、現役の薬局なのだけど、外から見ると普通の建物の一角で、なかに入ると時代が変わる。木彫りの装飾、金色のライオン像、アンティークな棚に瓶がならんでいて、豪華なシャンデリアがつり下がっている。どう見ても薬局じゃない。でも現代の薬や化粧品がふつうにならんでいる。
聖ペトリ教会

聖ペトリ教会(Sankt Petri kyrka)は14世紀に建てられたゴシック様式の教会で、マルメでいちばん古い建物だと言われている。

なかに入ると白い高い天井に金色の豪華な祭壇。洗練されたデザインで落ち着いた重厚感があった。
Lilla Torg(小広場)とそのまわり
Stortorgetから路地を抜けると、Lilla Torg(リッラ・トリエット)という小広場がある。個人的にはかなり好みだった。


カラフルな建物にかこまれた小さな広場で、テラスカフェがならぶ。北欧らしくてまさに絵になる空間。


Lilla Torgのすぐそばにあるのが、Hedmanska Gården(ヘドマンスカ・ゴーデン)。赤い外壁に黒い木組み模様の古い建物で、アーチの通路をくぐると中庭がある。Form Design Centerというデザインの展示施設が入っていて、入口からしてすでにおしゃれだった。北欧デザインが好きな人には、とくに刺さると思う。スウェーデンのファッションブランドのショップも並んでいて、カラフルでかわいくて、つい見入ってしまう。
歩行者天国とかわいい通り


マルメの中心部にはいくつか歩行者天国がある。ショッピングストリートのSödra Förstadsgatan(ソドラ・フォシュスタスガータン)はテラスカフェや雑貨屋がならんでいてにぎやか。


なかでも気に入ったのが、Kärleksgatan(シェールレクスガータン)という通り。「愛の通り」という名前で、建物のあいだに洋服がひらひらと干されたようなアート装飾がしてある。
マルメ城とSlottsparken、そして図書館


市街地から少し歩いたところにマルメ城(Malmöhus)がある。1526年から1539年にかけて建てられた、北欧地域で現存する最古のルネサンス様式の城で、現在はマルメ博物館として使われている。


城のまわりにひろがるSlottsparken(城公園)も気持ちよかった。入口には「Hälsans Stig(健康の道)」という散歩コースの案内看板があって、地元の人たちの日常にこの公園が根づいているのが伝わってきた。大きな木がならぶ遊歩道、公園のなかにある古い風車。夏のスウェーデンのやわらかい光のなかで、ただぶらぶら歩いていた。



花畑ではダリアが一面に咲いていて、奥に風車が見える。公園内には半屋外のテラスカフェもあって、緑の天井の下で地元の人がくつろいでいた。


Slottsparkenのとなりにある市立図書館(Malmö Stadsbibliotek)も立ち寄ってみた。
なかに入ってみると、本を読んでいる人だけじゃなくて、なにかものをつくったりデザインしたりしている人の姿があって、子どもも多かった。図書館というより、みんなの居場所、という感じ。
Saluhallen(室内市場)


駅から歩いて10分ほどのところにSaluhallen(サルハッレン)という室内市場がある。赤いアーチ状の骨組みに天窓から光が差しこむ、なかなか雰囲気のある建物で、なかにはピザ屋、デリ、カフェなど複数の飲食店が入っている。お昼どきだったのでそこそこにぎわっていた。
運河沿いの新旧の街


マルメは運河が街のなかを流れていて、沿岸を歩いているだけでいろいろな景色が変わる。歴史的な石橋、古典的な建物。のんびりしていていい。


その真横に現代的なガラス張りのビルが建っていたりして、新しい街と古い街がぜんぶ混在している。
現代的なビル群は歩けば角度によって見え方が変わって、どこから見てもかっこいい。やはりスウェーデンのデザインセンスはピカイチだと思った。


ボートの乗り場があったり、対岸に時計塔が見えたり。運河沿いは歩いていて飽きない。
レンガの建物と真っ白な高層タワーのコントラストもいい感じ。駅のほうまで運河沿いに歩くと、また少しちがう街の表情が見えてくる。
マルメ、また来たい

街を歩いていると、目が合った人がにっこりしてくれる。なんだかうれしかった。おだやかで静かな街。建物がいちいちかっこいいし、デザインのセンスがいい。それでいて、気取っていない。

路地に小さなバーやワインショップが入りこんでいて、そういうこじんまりした感じもよかった。
今回は短時間の日帰りで、それも日本人からしたらマイナーなMalmö(マルメ)という街を無計画に歩いてみた。スウェーデンがすてきなのは間違いないと来る前からわかっていたけど、やはり期待を裏切らなかった。今度は絶対に長期でスウェーデン旅を実現させたい。


