潔癖症がカンボジア赴任を命じられた末路

カンボジア生活

潔癖症でも世界一周できたわけ、なんて記事(こちら)を書いておきながら。

その数年後、カンボジア赴任を命じられた私。

念願かなって海外赴任。ただし国は指定できない。

おそるおそる見た配属先の通知はまさかのカンボジア。

ASEANの中でも途上国のイメージが強い。衛生面なんて不安でしかならない。

正直、思った。

終わった。

世界一周は“選べた”けど、赴任は“選べない”

世界一周のとき、私は徹底していた。

・宿泊先は口コミ重視
・水回りが汚い国は回避 or 短期滞在
・ローカル飯は“見極めて”食べる
・ムリそうな環境には近づかない

つまり、潔癖症でも旅ができたのは「選択権」があったからだ。

でも赴任は違う。

逃げ場がない。

住む場所も、生活圏も、日常も、全部そこになる。

しかもカンボジア。

東南アジアの中でも、インフラや衛生面においてはまだ発展途中の国だ。

潔癖症との相性は、正直かなり悪い。

プノンペンの汚さレベル

カンボジアの首都プノンペン中心部の“汚さレベル”を軽度の潔癖症である私目線で評価してみた。

実体験ベースで“どのくらいキツいのか”を可視化してみた。

評価軸はシンプルに5段階。

★☆☆☆☆:ほぼ日本レベル
★★☆☆☆:少し気になるが許容範囲
★★★☆☆:潔癖症的にストレスあり
★★★★☆:できれば避けたい
★★★★★:無理。回避一択

■ 水回り(★★★★★)

これは文句なしでMAX。特にトイレ。

・床がビショビショしている
・便座が濡れている or そもそも便座がないところもある
 (別に日本だろうと便座に肌は触れさせないからここは重要ではないが)
・トイレ内に水とおけが用意されていてそれを使って流す式のところがある

特にローカル施設は、“きれいだったらラッキー”くらいの確率。
ちゃんとしたレストランでも、汚かったり、屋外トイレを案内されたりする。

対処法はショッピングモールのトイレに行くこと。
ショッピングモールのトイレだけはきれいで安心して利用できる。

■ 屋台・ローカル食堂(★★★★☆)

・調理スペースが外にある
・食器の洗い方が雑
・ハエはデフォルト

飲食スペースが屋外にあるタイプのローカル食堂は、屋外で、かつ地面に置いたバケツで食器を洗っている。

屋台やローカル食堂はおいしいそうだけど、環境を見てしまうと食べれない。

屋台は難易度が高く、実際にお腹を壊した日本人を多く見てきたので利用しない。

ただ、屋根付きのローカルレストランならギリ行けることがある。

そして、どうしてもローカル料理が食べたいときは、Grabアプリでデリバリーするという方法もある。

グラブで注文すると新しいプラスチック容器に入った料理が届き、きれいな環境で食べられる。
味はおいしいので、細かいところは想像しないようにする。

完全に“見なければいける人”向けの世界。

私は、汚環境を見てしまうとダメだけど、新しくてきれいな器に入ったものがきれいな環境に届いてそこで食べるなら行ける程度の人間なので耐えます。

■ 街中の道路・空気(★★★★☆)

・排気ガス+湿気のコンボ
・雨季はぬかるみゾーン発生
・ゴミが散乱し異臭が発生する場所も
・とりあえず至るところがなぞに臭い
・地面は汚そうな謎の物体が落ちている

これは常に伴うタイプのストレス。

湿気とにおいは東南アジア独特のあれ。覚悟はしていた。

どこを歩いても完全にきれいとは思えない質感の道路。

街を歩いていると、ここはゴミ捨て場?と思わされるほどに汚いスペースが現れる。

街の汚さは、毎日じわじわ精神をやられる。

ただ、基本プノンペンの街は歩かないのが救い。

移動はバイク・車・トゥクトゥクが主流で

現地の人すら歩いていない。

日常においてはきれいな家からきれいな職場まで車で移動。

休日も配車アプリで移動するので、街の汚さに向き合うのは観光で街歩きをするときくらいなのでまだ耐える。

■ モール・カフェ(★★☆☆☆)

ここは一気に安心ゾーン。

・エアコンあり
・清掃が行き届いている
・トイレも比較的きれい

いわゆる“先進国寄り空間”。

潔癖症の避難先として機能する。

日本より清掃頻度が高いのでは?と思うくらい

どこに行っても清掃員が常に清掃している。

イオンモールのトイレなんか常駐で清掃スタッフがいるくらい。

日本のモールやカフェと比べると安心はできないが、プノンペン比ではレベルが高い。

■ 高級コンドミニアム(★☆☆☆☆)

これはほぼ日本。

・水回りがきれい
・清掃サービスあり
・常に清掃されている

正直ここにいると、カンボジアであることを忘れる。

上層階に住めば、虫からも、においからも逃れられる。

静かで清潔で安心できる空間。

だからこそ重要。

潔癖症にとってのライフライン。

まとめ

カンボジアの厄介なところはこれ。

清潔レベルの振れ幅が極端すぎる。

・一歩外に出ると★★★〜★★★★★
・建物に入ると★〜★★

この落差がある。

つまり潔癖症的には、

“どこに身を置くか”で難易度が激変する国

プノンペンでの私の暮らし

食事:清潔さを取るとコストが上がる

プノンペンに住んだ結果、自炊が増えた。もともと自炊するタイプではなかったけど。

カンボジアは外食文化。

屋台やローカル食堂は安くておいしい。

でも潔癖症視点で見ると、

・調理環境が見える
・食器の洗浄レベルが不明(たぶん100%アウト)
・ハエが普通にいる(大量に)

無理な日は、ほんとうに無理。

結果どうなるか。

外資系カフェか、モールに逃げる。

スタバとかイオンモールとか天国すぎてほんとうに感謝。

まあ、食費は跳ね上がるけど。

潔癖症=生活コストが上がる

それが東南アジアで覚悟すること。

だから自炊をするようになった。

きれいなスーパーで買い物すれば少しは安心できる。

住居:ここで全てが決まる

結論、潔癖症でカンボジア赴任するなら、

住む場所に全振りする必要がある。

・新しいコンドミニアム
・清掃サービスあり
・水回りがきれい
・設備が新しく清潔

逆に言えば、家さえ快適なら外で多少削られても回復できる。

私はここで学んだ。

潔癖症にとって“家は避難所”である。

私はBKK1(プノンペン市内中心部の高級住宅街エリア)の新しい高級コンドミニアムに住んでいる。

快適さを金で買うとはまさにこういうこと。

心身の安らぎを守るために最低限、死守すべき住居。

高級と言っても、家賃は20万くらい。

立地と設備、サービスを加味すると、日本の感覚から考えれば破格。

プノンペンに実際に住んでみた感想

正直に言うと、日本に帰りたい。

私が住むのはBKKエリアのため歩けないほど汚いわけではない。

サンダルはためらうけど、靴なら全然気にならない。

それでもいつも天候にかかわらず常に厚底・防水の靴で生活している。

そのエリアにとどまっておとなしく生活していればいい。

ただ、私の場合は潔癖とは拮抗してたいてい好奇心が勝る。

まちを見たくてちょこちょこ歩き回ってしまうのだ。

そして、ローカルらしさを感じたく行きたくなってしまうマーケット。

さすがはカンボジア。目にするのはこんな光景。

丸ごと吊り下げてある豚。

太陽の下にそのまま並ぶ生魚。

野菜は汚いバケツでじゃぶじゃぶ洗われている。

なんどか酸欠になりかけた。
というのも、突如現れる生魚のエリアで吐き気に襲われ、頑張って口呼吸して早歩き、ここまでくれば大丈夫かなと思って鼻呼吸に戻すとまだ臭くてオエ…。
そんな調子だからだ。

けっこう呼吸をとめすぎて危険な目にあった。こんな暑い中、生のまま外に無造作に並べられた魚たち…いったい誰が買うんだろうかと思ってしまう。口に入れたらお腹こわすどころの騒ぎではないのではないかと。

でも、おもしろくてたまらない。
月に着陸する宇宙飛行士が着るような完全防備で、ローカル感あふれる環境を散歩して、よくよく観察したいとふと思う。ぞんぶんに楽しめそうな気がする。

カンボジアに来て感じた体の異変

私は超絶免疫が強いという自負がある。

生まれてこのかた、インフルエンザにかかったことがない。
最後に自然発生的な熱で寝込んだのは小学5年生。
(コロナのワクチンにはそうとう免疫が反応して熱が出たがあれは自然発生ではない)
年に1回くらい鼻風邪を引く程度。とにかく体が強い。

そんな私がカンボジアに来て、小学生以来初と言ってもいいほどの熱が出た。
あれはひどくお腹を壊した翌日だった。
体温計を持っていなく、かつ買う気もないのでほんとうに熱が出たかは定かではないが。

そしてカンボジアに来たばかりの頃は、2か月に1度は眠れないほどの喉の痛みにおそわれることがあったし、夜になると激しい咳に苦しむ日々もあった。
この私が咳に悩むなんて一体いつぶりのことだろう。

何がいいたいかというと、この国には得体のしれない病原菌が街中にあふれているということ。
2000年以降に東京23区に生まれた私には刺激が強すぎる雑菌まみれの空気が流れているようだ。

ゴミだらけの街に、ひどく汚染されたハトやらスズメがわんさか集まり羽をバサつかせる。ゴキブリやらネズミなんてそこら中に歩き回っている。もはや何もおどろかない。
スズメが車にひかれた痕跡を見かけるのも日常茶飯事である。

いつまでも適切に処理されない人の廃棄物、間近にいる不衛生な動物、先進国では明らかにアウトな排気ガス…そうしたものが大気に混じり、抗体を刺激する。ただ、人間だ。この国に対する抗体がそろそろできあがるのではないだろうか。日本に帰ったら二度と風邪なんて引かないのではないかというくらい強い免疫が。

結論:潔癖症でも、海外赴任はできる

ただし条件付きだ。

・完璧な清潔はあきらめる
・お金をかける場所を間違えない
・“避ける力”を最大化する

これができれば、

潔癖症でもカンボジア赴任は成立する。

末路:強くなったのか、鈍くなったのか

そして今の私はというと。

相変わらず潔癖症だ。

キツくてたまに泣きたくなる。

たぶん何年住んでも、慣れない。

でも、

昔よりも“許容できる範囲”が広がった。

心理的に安心できる場所を見つけて、少しずつ適応している。

それが成長なのか、ただの麻痺なのかはわからない。

ただひとつ言えるのは、

世界は、思っているよりも雑で、そしておもしろい。

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