サウジアラビアの首都・リヤドに2024年から本格的に運行を開始した「リヤド・メトロ」。
近未来的なデザインと世界最先端の交通システムを兼ね備え、中東最大級の都市鉄道プロジェクトとして世界中から注目を集めています。
旅行者にとっても、空港から市内への移動、観光スポット間のアクセスにとても便利な存在になりつつあるのですが――
初めて利用する外国人旅行者にとって戸惑う最大のポイントが「車両の区分」です。
リヤド・メトロには、日本や欧米の鉄道にはない「シングル車両」「ファミリー車両」「VIP(ファースト)車両」という3つの区分が設けられており、どれに乗るかを間違えると周囲の視線を集めてしまうことも。
この記事では、実際にリヤドを訪れた旅行者の立場から、
- シングル車両とファミリー車両の違い
- どんな人がどちらを選ぶべきか
- 日本人旅行者が気をつけたいマナーや注意点
- 現地での文化背景や社会的な意味
を徹底的に解説します。
「リヤド・メトロに乗ってみたいけど、どっちの車両を選んだらいいの?」
そんな疑問を持つあなたにとって、この記事が最もわかりやすいガイドになるはずです。
リヤド・メトロとは?世界が注目する巨大プロジェクト

まずは簡単に、リヤド・メトロそのものについて紹介します。リヤド・メトロは、サウジアラビアの首都リヤドに建設された 総延長176km、6路線、85駅 を誇る大規模都市鉄道ネットワークです。
- 建設費用:約225億ドル(約3兆円規模)
- 開業:2024年(段階的運行開始)
- 目的:急増する人口と交通渋滞の解消、都市の近代化
特徴的なのは、駅や車両のデザインが非常に近未来的で、冷房完備・自動運転・ガラス張りの車両など、最新技術を惜しみなく投入している点。
まさに「未来都市リヤド」を象徴するインフラであり、旅行者にとっても「一度は乗ってみたい」体験型観光の一つになっています。
しかしこのメトロには、世界の他都市にはあまり例を見ない「車両区分」という独自のシステムが導入されています。
リヤド・メトロの3つの車両区分とは?
リヤド・メトロには、以下の3つの区分があります。
- シングル車両(Single / Individual)
- 主に「男性一人」で乗る人を対象にした車両。
- 社会的ルールとして、単独の男性はこの車両を利用するのが基本。
- ファミリー車両(Family)
- 家族連れや女性、子どもが安心して乗れるように用意された車両。
- 女性一人旅や女性グループもここを利用できる。
- VIP/ファースト車両(First / VIP)
- 座席の質やスペースが上級仕様。
- 追加料金が必要な場合があるが、より快適に移動したい人向け。
このうち、旅行者が特に迷うのが 「シングル車両」と「ファミリー車両」 の使い分けです。
シングル車両とは?メリット・デメリット

特徴
- 「一人で乗る男性」向けに設計された車両。
- 座席配置は一般的で、特別豪華ではない。
- 仕事や通勤で利用する現地男性が多い。
メリット
- ルールに沿っているので、単独男性が乗っても違和感がない。
- 混雑時でも「ここに乗れば間違いない」という安心感がある。
デメリット
- 男性ばかりなので、雰囲気がやや殺伐とすることも。
- 観光客としてはアウェイ感を覚える可能性がある。
- 女性や家族連れは避けるべき。
ファミリー車両とは?メリット・デメリット

特徴
- 家族や女性のための快適な空間。
- 女性ひとり旅でも利用できる。
- 子ども連れの乗客が多い。
メリット
- 女性にとっては安心できる。
- 雰囲気が落ち着いており、旅行者にも利用しやすい。
- カップルや友人同士でも利用可能。
デメリット
- 単独男性は利用を避けるべきとされる。
- 子ども連れが多いため、にぎやかな場合がある。
- 混雑時には座れないことも。
旅行者の立場から見た「どちらを選ぶべきか?」
ここからが本題ですが、日本人を含む旅行者がリヤド・メトロを使うとき、どちらの車両を選ぶのが良いのでしょうか?
男性一人旅の場合
👉 シングル車両 が無難。
社会的ルールに従うのが最も安心で、現地の人に不快感を与えることがない。
女性一人旅の場合
👉 ファミリー車両 を選ぶべき。
「女性専用車両」ではないものの、女性が多く安心感がある。
カップル・夫婦・友人グループの場合
👉 ファミリー車両 が適切。
二人以上での利用はファミリー車両が推奨されている。
荷物が多い・長時間移動・快適さ重視の場合
👉 VIP/ファースト車両 がベスト。
追加料金がかかっても、広々した空間で移動できるメリットは大きい。
現地での注意点
- 車両の表示を必ず確認すること
- 各車両には「Single」「Family」「First」と表示がある。
- 間違えて入ると注意される可能性がある。
- 時間帯で混雑度が変わる
- 通勤時間帯はシングル車両がぎゅうぎゅう。
- ファミリー車両も夕方以降は混み合うことがある。
- 文化的背景を尊重すること
- サウジは男女の公共空間の使い分けを重視してきた歴史がある。
- 旅行者としては「現地のルールを守る姿勢」が何より大切。
まとめ:旅行者が安心して選ぶために
結論として、
- 男性一人旅 → シングル車両
- 女性一人旅 → ファミリー車両
- カップル・家族 → ファミリー車両
- 快適さ重視 → VIP/ファースト車両
これを基本ルールとして覚えておけば、旅行者が困ることはありません。
リヤド・メトロは単なる移動手段ではなく、サウジ社会の文化を体感できる場でもあります。
車両区分を意識して利用することで、よりスムーズにそして安心して旅を楽しみましょう。