ボゴタ観光|南米に降り立った日、世界が一変した

世界一周

長いヨーロッパの旅が終わった。フランクフルトから飛行機に乗り込んで、向かう先はコロンビアのボゴタ。

フライトは1時間遅れで出発した。それでも17時40分ごろ、南米の上空に差しかかったとき、思わず窓に顔を押しつけた。

とんでもない景色が広がっていた。

夕焼けに染まった空の下、雲がまるでスケートリンクのような海の上に浮かんでいる。窓ガラスには氷の結晶がうっすらと張りついていて、それ越しに見る光景がいっそう幻想的で。これはいったいなんだろう、と思った。ねらって見られる景色じゃない。偶然のタイミングで、偶然その窓をのぞいた人だけが出会える奇跡の景色。

南米、はじまった。

ボゴタ着

空港に着いてタクシーでホテルへ。タクシーはメーターありでひと安心。
外はすでに暗く、「南米にきた」と考えるだけで何もなくてもなんとなくドキドキする。

ホテルにつくもさっそく問題が。シャワーのお湯が出ない。正確には出るけど、33度くらいのぬるい水。全然あたたまれなくて、死ぬかと思った。しかも部屋の鍵がうまく閉まらない。まずい。コロンビアにおいて部屋の鍵が閉まらないなんてそんな危険なことがあってたまるか。初日から洗礼を受けた感じがした。

ボゴタ市内観光

いつもどおり無計画に歩き出す。とりあえず市内中心部と歴史的な町並みのあるエリアをめざして。

まず朝ごはん。ホテルの1単語も英語を知らないお姉さんにどローカルなお店に連れて行ってもらった。コーヒー・パン2個・卵焼きのセットを頼んだら、なんと186円。ちょっとまって安すぎる。コロンビアの物価、北米とは別の惑星みたいだ。

バスに乗るのがすでに一大イベント

ボゴタの移動はバス(TransMilenio)を使った。ICカードを買えばピッとかざすだけで乗れる、意外と便利なシステム。ターミナルで係の人に聞いたら、ポケットからカードをさっと出して直接売ってくれた。英語はまったく通じないので、翻訳した画面を見せながらのやりとり。なんてエキサイティングなんだろう。全部わからなすぎる。それが最高におもしろい。

バスの中では誰かが爆音で音楽をかけていたり、一駅乗ってチラシを全力で配る人がいたり。みんな勢いで受け取っているので私もうっかり受け取りそうになったけど、案の定チップ集めだった。しかも冊子はちゃんと回収するの、おもしろいな。

バスを捕まえるのもひと苦労。手を大きく上げて猛アピールしないと止まってくれない。私が乗ろうとしていたバスが他のバスにさえぎられて通り過ぎそうになったとき、周りの乗客が一緒に手を振りながらダッシュしてくれて、なんとか乗れた。ありがとう、見知らぬみなさん。地元のみんなは普段からこんなことしているのかと思うと笑えてくる。

プラサ・デ・ロス・マルティレス

最初に出たのは少し庶民的な広場。周りには露店がずらりと並んでいて、路上はにぎやかだ。観光客なんてどこにもいない。ボゴタで暮らす人たちを観察しながらこの広場の周辺をのんびり散歩した。

プラサ・デ・ボリバル

少し移動して、ボゴタの中心、プラサ・デ・ボリバルに出た。

どん、と広い広場に出ると正面にカテドラル・プリマダ(Catedral Primada de Colombia)がある。背景の山と石造りの聖堂のコラボがいい感じ。

振り返ると国会議事堂。この広場には平和な空気が流れる。

広場のわきには野菜・スナック・フルーツなどを売るいろいろな屋台が出ている。

フルーツカップを買った。たっぷりビタミンを補給しておく。

プラサ・デ・ボリバルの一角にエレガントな建物を発見。教育機関らしい。

Capitolio Nacional(国会議事堂)。ギリシャ神殿みたいなつくりで立派。

ちょっとしたミュージアム「Museo de Bogotá」へ。入場無料の文字につられて、ふらっと入ってみた。石畳の中庭に小さな噴水があってゆったりとした空気が流れていた。

近くのカフェ「Café Ibáñez」は雰囲気がよかった。アンティーク調の革張りの椅子、壁に並ぶ古い本や雑誌、白黒写真の大きなパネル。コロンビアの歴史を感じさせる空間で、カプチーノをゆっくり飲んだ。

ひときわ目立つ建物を見つけた。Santuario Nuestra Señora del Carmen(カルメン聖母聖堂)だ。赤と白のストライプ模様が特徴的で遠くからでもすぐにわかる。

ラ・カンデラリア地区へ

プラサ・デ・ボリバルから少し歩くと、ラ・カンデラリア地区に入る。コロンビアでもっとも歴史的な街並みが残るエリアだ。

カラフルな絵画がずらりと路上に並んでいる通りに出た。歩けばウォールアートとカラフルな建物がつぎつぎあらわれ、とてもかわいい雰囲気。

古いコロニアル建築の間とカラフルな旗。このまま絵葉書になりそうな景色だった。

てきとうに見つけた「Tienda de Comercio Solidario Quinua y Amaranto」でランチ。コロンビアの家庭料理が食べられる。めっちゃおいしい。コースでいろいろ出てきたけれど、日本円でたったの711円だった。

このラ・カンデラリア辺りは大学が集中しているエリアで、学生がたくさんいた。市内中心部から坂を上がっていかなければいけないので毎日通学するのも大変そう。

Chorro de Quevedo広場へ

次に向かったのは、Plazoleta Chorro de Quevedo。

広場はとにかく若者だらけ。学生らしくグループがたむろしている。

この広場はボゴタ発祥の地とされていて、1538年8月6日にゴンサロ・ヒメネス・デ・ケサーダがここに街を築いたといわれている。今では学生のたまり場だけど実は歴史的な場所。

広場へと続く細い路地、Calle del Embudo(エンブードの路地)。カラフルな落書きでうめつくされていて、ボゴタのボヘミアンな空気が楽しめる。

つぎつぎあらわれるストリートアート。どれも鮮やかな色で完成度も高く、美術館を歩いているみたいだった。

Mercado de La Concordia

Chorro de Quevedo広場のすぐそばにある「Mercado de La Concordia」。中に入ると、バーなどが集まる市場のようなショッピングモールのような感じだった。

手工芸市場・Pasaje Rivas

「Pasaje Rivas(パサヘ・リバス)」という手工芸市場にも立ち寄った。カゴ、ハンモック、カラフルなチョシタバッグ、木工品、楽器……コロンビアの手工芸品がひたすらに並んでいる。

宝さがし感覚でのんびり見てまわるのがたのしい。

出店が並ぶ道を散歩しているとちょこちょこおいしそうなものに出会う。

行列ができていたから、つられて買ってみた。うすいワッフル生地にキャラメルクリームをはさんだもの、その名も「オブレア(Oblea)」。優しいおばさんがキャラメルクリームをちょっと多めにぬってくれた。シンプルで、おいしい。2,500ペソ(約80円)。

Parque Santanderとボゴタのオブジェ

「BOGOTÁ」の文字のオブジェ。後ろには緑の山・モンセラーテ。ボゴタに来た感ある写真がとれる。

Parque Santander(サンタンデール公園)にいくと工芸品や本の露店が並んでいる。日曜日にはとくににぎやかになるらしい。

コーヒー大国・コロンビアのコーヒー

さすがコロンビア。コーヒーが安い。ヨーロッパの3分の1から4分の1の値段で飲める。しかも新鮮で、本場でしか出会えない味がする。

エスプレッソがいちばん分かりやすい。まるでフルーツあるいはチョコレートそのものみたいな味がする。感覚としては生チョコを口に入れたときにとろけるような感じ(味が生チョコというわけではなく舌が受けとめるときの体制が似ているという話)。コーヒーの概念がくつがえる貴重な味だった。コロンビア滞在中は1日になんどもコーヒーを飲んだ。原産地の本場コーヒーの味を覚えておきたくて。今までスタバのコーヒーをおいしいと思っていた自分がいかに世界を知らなかったか思いしった。

ボゴタの街を歩いて気づいたこと

ボゴタの街を観光していて思ったことがある。

観光客がいない。世界中どこにでもいると言われている中国人旅行者でさえ、まったく見かけなかった。

それから街がきたないし、そこら中にゴミも落ちている。気温が低いこともありゴミや食べ物のくさったにおいはないからまだマシだけど。排気ガスはきつい。日本の古い車やトラックが、もくもくとグレーの煙を出しながら走っている。

野良犬が多いのに、妙に毛並みがよかった。まるで飼い犬みたいにスッキリしている。不思議だった。

それから、ひとつびっくりしたのが、タクシーは必ずメーターをつけてくれるし、多めに出したらちゃんとおつりを返してくれること。強引にお金を集めてくる人もいない。南米、意外と先進的かもしれない。

南米って危ないイメージがあったけど、少なくともボゴタの中心部を歩いていた私には、誰も何もしてこなかった。アジア顔でも目立たない。黒髪が多いし、なんとなくアジア系の顔立ちに近い人もいて、浮かない感じがした。生理前でイライラしていたおかげで目つきが自然と険しくなっていたのも、ちょうどよかったのかもしれない笑

あ、標高が2,600mもあるから、高山病になりやすい人は要注意。わたしはトラベルクリニックで黄熱病の予防接種をしたついでに、高山病予防の薬をもらっていた。ちょうどボゴタに到着する前日から薬を飲んでおいたので安心して過ごせた。高山病になると吐き気がきつくて観光どころではなくなってしまうので。

ボゴタは、思っていたよりずっとおもしろい街だった。

コロンビアの通貨と物価について

コロンビアの通貨はペソ(COP)。単位が大きすぎるので最初は混乱した。ざっくりとした感覚として、COP 1,000 ≒ 約32円(2022年夏)。

物価は朝ごはんが約200円、ランチやディナーは約400〜800円、コーヒーが150〜200円、バスが100円(1時間乗っても)といった感じ。

ヨーロッパの旅からそのまま来た私にとって、この物価はかなりの衝撃だった。

ボゴタ市内の移動について

TransMilenio(トランスミレニオ)というバスシステムが市内をカバーしている。専用のICカードを買ってチャージすれば、あとはピッとかざすだけ。カードは大きめのターミナルで購入できる。係の人に聞けば教えてくれるけど、英語は基本通じないので、スペイン語でがんばるか、翻訳アプリを使うのがおすすめ。バスは2,950/回(約94円/回)と安い。ただしバスをつかまえるときは、手を大きく上げてアピールする必要がある。

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