スコピエ(北マケドニア)街歩きレポ|謎めいた銅像だらけの首都はトルコとヨーロッパが混ざり合う不思議な街だった

ヨーロッパ

北マケドニアの首都・スコピエ(Skopje)。

街に入った瞬間から、なんか視線を感じる。アジア人がほぼいない、日本人はもちろん中国・韓国ふくめて。だから目立つ。だけど目が合えばみんなにっこりしてくれる。おだやかな人が多い。

欧風の銅像だらけの広場を抜けると、川の向こうはイスラムの旧市街。モスクとキリスト教会が同じ街に共存している。ヨーロッパだけど、ヨーロッパじゃない。

スコピエの街歩きの記録をまとめます。

スコピエってどんな街?

スコピエは、北マケドニア共和国の首都。

北マケドニアは20世紀はじめまで約500年間オスマン・トルコ帝国に支配されていたという歴史があって、それがそのまま街の景観に現れている。ヨーロッパ風の新市街と、イスラム文化が色濃く残る旧市街が川を挟んで共存する独特の構造をしている。ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボにちょっと似てる。

街の中心部はコンパクトで、ホテルから主要なスポットまでほぼ歩いて回れるのがうれしいポイント。

そして、ここはマザーテレサの生まれ故郷でもある。マケドニア広場から南へ歩いてすぐのところに記念館もあった。

マケドニア広場|銅像と噴水だらけの謎ワールド

まず圧倒されるのが、ヴァルダル川のほとりに広がるマケドニア広場(Macedonia Square)。

広場の中心にどーんとそびえる巨大な騎馬像、これがアレクサンダー大王(正式名称は「馬上の戦士」)。台座も含めると高さ約28メートルという迫力で、その周りを戦士の彫像が囲む噴水が取り囲んでいる。

周囲には、これでもかというほど銅像が並んでいる。広場から橋にかけてずらっと立つ銅像の数は圧巻で、全体的に「やり過ぎ感」がなんともいえないおもしろさになっている。これは北マケドニアが観光立国を目指して2010年代に進めた大規模な街づくりプロジェクト「スコピエ2014」の産物らしい。

アート橋(Bridges of Arts)|銅像に挟まれた不思議な橋

マケドニア広場から旧市街側へ渡る石橋が、通称「アート橋」。

欄干に銅像がずらっと並ぶ。左右の銅像と街灯、その先にヨーロッパ風の建築——なんというか、テーマパークみたいなんだけど、本物なのが不思議な感覚。

オールドバザール(Stara Čaršija)

アート橋を渡ると、雰囲気がいっきに変わる。

石畳の細い路地に、カフェや雑貨屋、市場が軒を連ねるオールドバザール(旧市街)エリア。

ここはもう別の街、というか別の国にいる感じ。さっきまでのヨーロッパ風の広場から5分も歩けばこの景色になる。あれ、イスラム文化とヨーロッパ文化が川を挟んでとなり合っている、というのがスコピエの最大の魅力だと思う。

細い路地の奥にはシェードが張られた通りもあって、まるで中東のスーク(市場)のような雰囲気。

マーケットで見つけた謎のドリンク、ボウザー(Boza)

これはとうもろこしや麦を発酵させた伝統的な飲み物で、バルカン〜中東エリアに古くから伝わる飲み物らしい。甘くてねっとりしていて、独特の発酵臭がある。

「まずい」というか「なんだこれ?」という感じ。飲めなくはないけど、甘さと酸味と香りが合わさってよく分からない味。リピートはしないが、いい経験だった。ローカル体験としてはアリ。

モスク|音楽とともに人が吸い込まれていく

オールドバザールのそばにあるムスタファ・パシャ・モスク(Mustafa Pasha Mosque)。1492年建造の歴史あるモスクで、白い石造りのアーチが美しい。

訪れたとき、ちょうどアザーン(礼拝の呼びかけ)が響く中、人々が続々とモスクへ入っていくのが見えた。このエリアの暮らしの中に根付くイスラム文化を実感できる瞬間だった。

教会|金色のフレスコ画に息をのむ

一方でスコピエには立派な正教会もある。

たとえば聖クリメント大聖堂(Cathedral of Saint Clement of Ohrid)。外観は現代的なグレーのドームなんだけど、内部に入るとびっくり——天井から壁面いっぱいに、色鮮やかなフレスコ画が広がっている。

ブルーを基調にした絵画と、中央の巨大なシャンデリアに圧倒された。
モスクと教会を両方体験できるのが、スコピエならでは。

カレ要塞(Kale Fortress)|街を一望できる絶景スポット

旧市街の丘の上に立つカレ要塞(Kale Fortress)はスコピエの絶景スポット。

眺めが最高で、ヴァルダル川と街全体が見渡せる。遠くには緑の山と、その山頂に巨大な十字架も見える。市街地をふかんするとこの街の規模感がよく分かって、コンパクトなのに密度が高い、という印象。

水上レストラン

川に浮かぶ船がレストランになっている。内部が興味深かったのでランチに入ってみた。

いちばん気に入ったのが、アイバル(Ajvar)をパンにつけて食べるスタイル。

アイバルは、赤パプリカとナスを焼いてペースト状にしたバルカン半島の伝統的な保存食。スモーキーな甘みがあって、素朴なパンとの相性が最高だった。チーズをかけた状態で出てきて、これをパンにのせながら食べる。「保存食」という言葉が追いつかないほど、おいしい。

コーヒーは、バルカン全般にいえることだけど、スコピエでもエスプレッソに砂糖をどっさり入れて飲むのが主流。カフェに入ると、小さなカップにあふれんばかりの砂糖を入れているのをよく目にした。

スコピエの人たちのこと

スコピエで印象的だったのは、人の温かさ。

とにかく話しかけられる。基本的に「日本人と話せてうれしい!」という感じで。
目が合ったらにっこりしてくれる人が多いし、道に迷っていたら声をかけてくれる。街の人たちは総じてフレンドリーだった。

まさかスコピエ滞在中に地元の人と犬の散歩をすることになるとは思っていなかったけど(しかも2日連続で全く別の人と笑)、そういうことが起きる街でもある。

マザーテレサの生まれ故郷として

スコピエはノーベル平和賞を受賞した慈善家、マザーテレサが1910年に生まれた街。マケドニア広場の近くにはマザーテレサ記念館があって、幼少期の写真や活動に関する資料が展示されている(入場無料)。

ちなみに北マケドニアのお札(50デナールと10デナール)には点字のような突起がついている。視覚障害を持つ人への配慮なのか。なんとなく「この国らしいな」と思った。

行く前に知っておきたいこと

ユーロを持って行くべし

北マケドニアの通貨はマケドニア・デナール(MKD)。空港や街なかに両替所はあるけど、日曜日は閉まっているところが多い。

実際、日曜に両替しようとしたら換金所はほぼ閉まっていて、ショッピングモール内にあるという情報も外れ。バスのインフォメーション隣の窓口でようやく見つけたと思ったら、日本円は断られた笑

東欧のマイナーな国を周遊するときは、あらかじめユーロを持っておくのが正解。ユーロで両替できる場所のほうがずっと多いので、東欧旅の安心材料だ。

アジア人はほぼいない

中国・韓国ふくめ、アジア人をほとんど見かけなかった。歩いていると視線を感じるし、一緒に写真を撮ろうと誘われることもあった。なんだか有名人気分。

珍しがられている、という感覚はあるけど、悪意はまったくない。むしろほほえんでくれる人が多いし、目が合ったらにっこりしてくれる。そういう温かさのある街だった。

キャリーよりバックパックがいい

観光客らしき人はみんなバックパック。バックパックのほうが断然動きやすい。キャリーケースを転がしたりなんかしたら、変人扱いされるのではないかという気がする。それくらい観光客やキャリーケースを見かける機会がない。

まとめ|スコピエは「知る人ぞ知る」に留めておくのがもったいない

正直、行く前は期待値が低かった。でも実際に歩いてみると、これがとにかくおもしろくて。

  • 銅像だらけの新市街と、イスラム文化の旧市街
  • イスラムのモスクとキリストの教会が共存する街
  • 人が温かくて、フレンドリー
  • 全部歩いて回れるコンパクトさ
  • 食べものがおいしい(特にアイバル)

観光開発を頑張っているとはいえ、まだまだマニアックな国。そしてまだアジア人旅行者がほとんどいないがゆえに、みんなが興味津々に話しかけてくれて特別感を味わえる笑

多くは語らないが、いろいろな人とのいろいろな出会いがあってなかなかいい思い出になった。

バルカン半島を周遊する予定がある人は、ぜひスコピエに1〜2日は取っておいてほしい。思ったよりずっとおもしろい。

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